通信販売とひとくちに言っても、たくさんの商品を扱っている「総合通販」と、一品だけ、あるいは、ひとつの種類だけを扱っている「単品通販」があります。
衣料、インテリア、雑貨などいろいろなジャンルの商品が載っているカタログは「総合通販」のカタログです。
青汁や、にんにく卵黄だけを扱っている通販が「単品通販」です。
Web塾というタイトルですが、「通販」の仕組みと、そこからわかる考え方を知ってもらうために、今、成長を成し遂げた「単品通販」を例にして、進めていきます。
平成不況と呼ばれる不況が10年以上続いていますが、通信販売の業界は、ずっと右方上がりで成長してきました。
日本通信販売協会=JADMAの2002年の調査によれば、通販の誌上規模は1999年度以降、連続で増加しています。この年の調査でも、前年比6.5%ののびでした。
2005年には3兆円の規模になると予測されていました。
この不況下に、通販業界の連続成長を支えていたのも、この「単品通販」です。
市場規模を大きくしたのは、「総合通販」にくらべると「単品通販」は参入しやすかったこと。インターネットの普及で、ネットショップ(これも、通販です!)が増えたことが大きいと思います。
「単品通販」は、なぜ、参入しやすいのでしょうか?
通信販売は、お客さんに買ってもらうまでに、いくつかのステップを踏みます。
1)自社の製品を買ってもらえそうな人に対して広告をします。
2)商品そのもの広告をしながら、アクションとしては、購入にしません。
3)広告を見た人は、カタログを申し込んだり、サンプルを申し込んだりします。
4)通販会社は、その申込者に対して、よく考えられたカタログや、サンプルを送ります。
5)カタログやサンプルを受け取った人の何割かの人たちが、商品を購入します。
6)商品を購入した人たちが、再び、自社の商品を買ってもらえるように作戦を実行します。
このような段階を踏みながら、くりかえし購入してくれるお客さんを集めていきます。
このくりかえし購入してくれるお客さんの名簿の規模が、だいたい売上の規模に比例します。
すべては、1)2)の広告→カタログ(サンプル)から始まります。
広告+カタログ(サンプル)送付
この費用は、莫大なものになります。
小さな会社や、個人で通信販売はできない!と、思わせるものばかりです。
電話帳のように厚い通販カタログを見たことがありますか?
あの制作費だけでも、すごいお金がかかるのが想像できませんか?
部数が多ければ1冊あたりのコストは安くなるのですが、配り先が無ければ作っても無駄です。
ところが、「単品通販」ならば、可能性がぐっとあがります。
今や、大きな会社になっているローヤルゼリーの会社があります。
ここは、スタートの段階は、サンプルを提携郵便で発送していました。
製品数粒+紙1枚+定形郵便、1通あたり150円くらいですね。
能書きが書かれている紙には、写真もありませんでした。
今では、年商何十億の大きな会社ですが、はじめはご夫婦で養蜂をしている農家でした。
Web塾なのに、通販の話をしました。
この通販の仕組み、そこからわかる考え方が、Webサイトの運営で、よく理解してもらいたいことだからです。
この通販の仕組み、そこからわかる考え方を、少しでも知ってもらうために、なるべくシンプルに想像できる例をあげて進めていきたいと思います。
きょうは、「単品通販」ならば、小さな会社の売上をあげることができるという話をしました。